第一章 8
なんだ、そんな表情もできるんだ。
綺麗なだけよりずっといいな。
「ねえ、そういえばどうしてずっと敬語なの?」
「そうゆう風に育てられたんです。」
「ふぅ〜ん。疲れない?」
「疲れるとかそんな風に考えたことありませんから。」
「そっか。大変なんだね。王様も。じゃあ、普通にはなせるの?」
「そりゃあ、皆にこんな風に話してるわけではないですから。」
「じゃあ、誰になら普通に話してるの?」
「コーナンとロールには。後は、弟と妹ですかね。」
ふぅん・・・・。
いいなぁ・・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・。
違う違う。何考えてんだろ、私。
話題変えなきゃ。
「ねぇねぇそういえば私の自転車はどうなったの?
他の荷物はちゃんと部屋に置いてあったんだけど。」
「ジテンシャ?ああ、あの妙な機械みたいなものですか。
あれは大きいから馬舎に置いてあります。
あれは何の機械なんですか?」
機械・・・。そうか、そんな風に見えるのか。
なんだかおかしい・・・。ぷぷぷ。
「あれね、自転車といって移動するのに便利なものなんだ。
今度乗り方教えてあげるよ。」
「ホントですか!!」
顔を高潮して王様は乗り出してきた。
「実は気になって気になって仕方が無かったんです。
絶対ですよ!!」
びっくりしたけど、なんだかカワイイ。
やっぱり男の子なんだな。
それから私たちはいろんなお店を回った。
お店の人はみんないい人で本当に楽しかった。
「あ〜。楽しかった。」
そういいながら城の門をくぐる。
「そうですね、私も久しぶりに楽しめました。」
「王様ってお休みってあるの?」
「あはははははは。」
な、なに?なんで急に笑うの?
「いやぁ、あなたには驚かされてばかりです。」
え?そんなへんなことばっかりした?
急に王様は立ち止まって私と向き合った。
「今日はもうゆっくり休んでください。
そしてよければ明日返事を聞かせていただけますか?」
見つめられながらそんなセリフを言われるとかなーり勘違いしちゃうよ。
「わ、わかった。」
王様と別れ走りながら自分の部屋に戻る。
ドアを開けようとするまえふと王様のほうを見る。
彼はまだ見送っていた。
「ねえ、私のことは日向って呼び捨てでいいからね〜。
それと敬語なんか使わないでね〜。馴れてないから〜。」
と照れ隠しに叫んでドアを閉めた。
王様の爆笑している声が聞こえた。
そんなにおかしいこと言ってないんだけど。
「ヒナタ〜。お帰り〜。無事帰ってきたのね。よかった・・・。」
ニコがいきなり抱きついてきた。
そんなに心配かけちゃったのね。ごめんね。
それから豪華なご飯となった。
一人で食べるのはいやだったからニコも一緒に食べてもらった。
本当はメイドとはこんなことしてはいけないらしい。
でも私たちは友達だからいいじゃんといい含めた。
だって、誰かがいるのに一緒に食べないなんておかしいよ。
久しぶりに誰かと一緒のご飯だっからうれしいし。
やっぱり食卓には誰かと一緒がいいね。
その後はニコにしてやられた。
無理やりお風呂に入らされふわふわひらひらのネグリジェを着せられ
早めにベッドに押し込まされた。
いろんなことあったからね。早く寝るに限るよ。
明日は返事をする日。
答えはもう決まってる。
前に進むのがいちばんだよね。