第一章 4




   「コンコンコンコン・・・」

  窓を叩く音がする。

  それで私は目が覚めた。

  『よかった〜。お姉ちゃん目が覚めた。』

  声がするほうをみると、リスみたいなものが。

  ああ、やっぱり夢じゃなかったんだ。

  ムクッと起き上がり周りを見渡す。

  見たことのないような豪華なお部屋。まるでヨーロッパの中世期時代の

  ソファーやテーブル、タンスなどが置いてある。

  私が寝ていたベッドは天蓋突き。私自身もジャージから白のフリフリのついたネグリジェに着替えてある。

  「おお〜。まさにお姫様。すごいや。」

  とつぶやくと、





  「なんだ、言葉が通じるんですね。」

  と、横から声がする。

  びっくりしてみると銀髪で青い目をした青年がいるじゃありませんか〜。

  「おお〜。王子様までいるよ。びっくり。」

  「今は王子じゃなくて戴冠式したから国王なんですが。ところでご気分はいかがですか?」

  え、本物ですか。冗談じゃなく。

  大丈夫だと意味を含めてこくこくとうなずく。

  しっかし、なんてかっこいいんだろう。いや、綺麗というべきか。

  こんなに綺麗な人はじめて見たよ。

  でも、瞳はさびしそうな・・・・・・・。

  「君は名前はなんというのですか?」

  まじまじと見つめてたら表情一つ変えずに聞かれた。

  なんと、失礼な。人に聞く前に自分が名乗るものでしょ?

  というのが口に出てたらしく、びっくりした表情になった。

  それからぶっきらぼうに、

  「・・・・・・。僕はロナルド・ブレギュラー・13世。

  これで名前は名乗りましたよ。君は?」

  「私は菊池 日向。ここはどこなの?私、知らないおじさんたちと戦って

  芝生の上で倒れたまでは覚えてるんだけど。」

  「ここはフォレットという国です。彼らはスターターの国の者で、とある理由で君を殺しに来たものです。

  いったい、誰が彼らを倒したんですか?」

  「あれは私一人でやっつけたんだけど。」

  「はぁ?ありえないでしょう。彼らは国の殺し屋ですよ。

  女性には無理でしょう。」

  「こんなときに嘘ついてもしょうがないでしょ?

  こうみえても一応、武道をたしなんでるので護身ぐらいは出来るわよ。」

  この国は女性が武道するのはもしかしてありえないのかなぁ。

  王子様、もとい、国王様はまじまじと私の顔を見た。

  みられたら私も見つめ返した。うそ、ついてないもん。うそは嫌いだもん。

  お互い、ジーっと見つめあって数秒、

  「嘘はついてないようですね。信じましょう。」

  と言いながら席をたった。

  「ご気分がよろしいようなので貴方に話さなければいけないことがあります。

  今、メイドを呼びますので着替えを手伝ってもらい私の部屋まで案内してもらってください。」

  言うだけいって彼は部屋を出ていった。

  メイド?本格的にお姫様扱いだね。

  周りをもう一度見ると私のスポーツバックもあった。

  中身を確認したら、制服と携帯と財布と手帳とタオルと下着とお菓子が入っていた。

  よかった、試合の後だから必要なもの全部入ってるよ。

     とりあえず、メイドさんの手を煩わせるのも申し訳ないので

  制服を取り出して着替え始めた。










 






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