第一章 3




 それにしてもなんて天気の良い日だ。

 こんな所に飛ばされて雨だったんじゃあ泣いちゃうね。

 と、ほげーっと空を見上げてたらパカッパカッと馬の足音が。

 あー、ここじゃ馬じゃなくってなんだろうとみて見ると

 とっても人相の悪いおじさん達が5,6人来るじゃないですか。

 『おねえちゃん、逃げて。あの人たち怖い人たちなの!!』

 「わかった!!ありがとう!!」

 と言って自転車にまたがり竹刀とバックを持って一目散に逃げる。

   でも向こうのほうがはやいっっ。

 「あの娘だ!あいつらより先にとらえよ!!」

 むむ。言葉がわかるのはありがたいけど、なんだかやばそう・・・・。

 兎に角逃げるしかない。と思っても彼らの一人に腕をつかまれる。

 やばい。とりあえず、竹刀で。

 相手はどう見ても刀だけど、時間稼ぎは出来るでしょ。

 引きづられそうになるのを合気道の技で返しやつらとの距離をとる。

 驚くやつら。

 まさか、私がやり返すとは思ってなかったらしい。

 こんな時、武道を叩き込んでくれた両親に感謝。とと、それどころじゃないって。

 「インハイ優勝者をばかにすんなよ。」

 と、つぶやきながら彼らを相手する。

 うん、これなら決勝の相手のほうが強いとみた。

 ひとり、ひとりと攻撃をかわしながら突きや、胴を思いっきり当て倒す。

 ジャージでよかったさ。ほんと。

 なんとか、全員倒したところで力尽き、

 膝立ちになる。

 試合後でしかもおっさん6人あいてはきついっしょ。

 はぁ。と汗をぬぐいながら座り込んだその時、

 また馬らしきものの足音が聞こえた。

 勘弁してよ〜。

 乙女にそんなに戦わせてどうすんのよ〜。

 とつぶやきながら今日二度目の気を失った。









 気を失った少女の元に2人の青年が降り立つ。

 西洋の中世期みたいな服装だ。

 ひとりは銀髪で青い目をしている。

 もうひとりは赤毛で金色の目をしている。

 赤毛の青年は銀髪の青年に向かって

 「ロン様、この娘でしょうか。」

 と少女を見ながら問う。

 「多分、予言どおりだとそうだろうな。黒髪だし。」

 「でも、スターターの人間をひとりで。。。」

 「予言の娘は動物と話しができると言う。彼らに助けてもらったのではないか?」

 「それにしても奇妙な服装で。これが異世界の服なんでしょうか。」

 「うむ。とりあえず、周りのものもろとも城に運ぼう。

 話しはそれからだ。」





 などど、頭もとでこんな会話を交わしていたとは知らず、

 私は夢の中にいた。











 






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