第一章 10




  王様の部屋の前で深呼吸。

  「コンコン」

  「どうぞ。」

  「失礼します。」

  こわごわと王様の部屋に入る。お仕事してるみたい。いいのかな?

  「大丈夫だよ。昨日の返事をしにきてくれたんだろ?」

  「あ、敬語じゃなくなってる・・・・。」

  「あんなに大きな声でお願いされたらことわれないよなぁ?」

  と、そばに立っていたロールに話しかけた。

  やだ、みんな聞いてたんだ。はずかしいなぁ、もう。

  真っ赤になって下を向いてたら笑い声が。

  「ひどい!!笑わなくてもいいじゃない。そんなんじゃ

  予言の少女とやらにならないんだから!!」

  「ごめん、ごめん。ついさ。

  じゃあ、やってくれるんだね。」

  「昨日いろんな人にあって、ここの国の人たちがすっきり

  好きになったよ。力になれるなら力になりたい。

  それに戦争とかきらいだし。戦争にならない方法を見つけるんだよね。」

  「そうだよ、国民を第一に考えると戦争は避けたいんだ。

  だから力を貸してほしかった。

  みなも喜ぶよ。ありがとう。」

  彼は私の両手を握って満面の笑みで言った。

  だから、誤解するって・・・・・。その微笑みは・・・・。

  もろ好みなんだからさ。性格は置いといて。

  「じゃあ、お披露目をしないと。ロール、早速準備を。

  予定は1週間後だ。」

  「なに、そのお披露目って。」

  「国王の前で儀式をするんだ。内容は、まあ頑張ります、みたいな。

  その後はテラスに立って国民に挨拶をするんだ。

  国民はもう何年も君の出現を待っていた。それを頼りに頑張ってきたんだ。

     彼らに敬意と誓いをたてるんだ。

  彼らも君みてもっと頑張ろうって思うだろう。

  もちろん、警護は十分にする。」

  なんだか、どんどん大事になってきてるような気がする。

  それだけ予言の少女って大きなものを背負うんだろうな。

  「わかった。一度やるって言ったんだもん。

    出来る限りのことはやるよ。」

  「てっきり文句言われると思ったんだが。」

  「失礼ね。女に二言はないのよ!!

  言葉に出したのなら自分が責任もつ。それは当たり間のことでしょう。」

  「そこらへんの男よりずっと男前だな・・・・。」

  それって、ほめ言葉?乙女に向かってどうよ、この人。

  「ほめ言葉だよ。」

  極上の笑顔で言われた・・・・。し、心臓に悪い。この人の側は。

  「じゃあ、もう部屋に戻るね。お仕事中にごめんね。」

  そういって部屋を飛び出した。

  と思ったら扉から顔を出し、

  「これからわからないことだらけだけど、よろしくね。」

  といって顔を引っ込めた。

  まったく、飽きない人だ。

  と、彼はにやけながら書類に目を通し始めた。











    






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