王宮ロマンス番外編「独占欲」








 「で、なんでこいつがここにまだいるんですか?」

 あ、思いっきり怒りマークが額にでてるよ?

 「あのね、お仕事なの。外交の方で。

 一応、うちの国に車とか輸入してくれてるのよ。」

 「そうなんですよ〜。だからサラ姫にお昼をごちそうしてもらってるんです。」

 クルトはミカエルを思いっきり上から威圧してる。

 実はミカエル、あのあと帰ったと思いきや、そのまま居続けている。

 本当はこの国に仕事に来てたので私のことがあって仕事がおろそかになってしまっていたらしい。
 
 どうも、うそ臭いけど。

 「じゃあ、この国一番のレストランをご案内しますのでそちらへどうぞ。」

 「でもさぁ、ここのコック長の料理がいちばんおいしいんだよね。それにかわいい子とご飯食べたいし。」

 ・・・・・・・。

 クルトの空気がちょっと怪しくなってきてますけど。

 そんな事はわかっているのか、飄々とした態度で受け流している。

 こわいよ〜。

 「あ、ミカエルここにいたんだ。運輸大臣が探してたぞ〜。」

 兄様、なんていいタイミング!

 「えー、めんどくさいなぁ。サラ姫とご飯食べたかったのに。」

 ブツブツ言いながら部屋を出る。

 よかったぁ。これ以上、クルトの機嫌を悪くしないでほしい。

 ドアの前でふとミカエルが立ち止まる。

 「あー。クルト殿、あんまり独占欲強くてもダメだぞ〜。サラ姫逃げちゃうぞ。」

 語尾にハートマークつけて彼は去っていった。

 クルトの背中がプルプル震えてた。
 
 ああ、切れそう。

 「クルト、私逃げないから大丈夫よ。」

 そういってにっこり笑う。

 安心した表情になった、クルト。よかった。

 思わず手を取り合っていたら存在を忘れてた兄様が一言。

 「クルト、あいつに嫉妬しても無駄だよ。結婚してるし、すんごい愛妻家なんだよね。

 ただ、クルトをからかってるだけなんだよ。」

 ガクッと倒れそうになった。

 もう〜。早く言ってよね!! 

 


  





  









    






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